2017年04月08日

【エイプリルフールネタ】Lexus Lane Valetを真面目に解説する

Lexus Lane Valet | Lexus.com

 トヨタが準備した渾身のエイプリルフールネタ(Lexus Lane Valet)を真面目に解説します。Lexus Lane Valetの解説動画(以下)を見ると、大体どんな機能かイメージがつくと思います。


 簡単に言うと、「ボタン一つで、前を走る遅い車を他のレーンに移動させることができる」機能です。この機能があると、高速道路の追い越し車線を塞いでいる遅い車を蹴散らしながらドライブができます。飛ばす人にとってはあったら便利な機能だと私は思います。しかし、この機能は間違いなくエイプリルフールネタであり、実際の車に搭載されることはないでしょう。しかし、実はこの機能は技術的には今の技術で実現できるのです。

 必要な技術は、自動レーンチェンジ機能+車車間通信の2つです。それぞれの機能を解説しながら、Lexus Lane Valetの実現性を説明します。

・自動レーンチェンジ機能
 これは名前の通り、自動で車線変更をしてくれる機能です。人間がウインカー操作すると、車線変更する方向に車がいないかをセンサーが確認し、車がいなければ車線変更を行う、という機能です。ウインカーONという意志を示せば、後方確認〜ステアリング制御まで機械が自動でやってくれる便利な機能です。この機能は、Tesla Model S(2016年2月以降)で世界で初めて量産車に搭載されました。その後、Mercedes-Benz E-Class(Active-Lane Change Assist)、BMW 5series(Lane Change Assistant、日本では本機能は無し)にも搭載され、2017年発売予定のLexus LS(Lexus CoDrive)にも搭載予定です。今はウインカー操作は人間が行っていますが、最近の車のウインカーは電子化されているため、技術的にはウインカー操作含め全て自動で行うことも可能です。
 Lexusの動画では、後方車のボタン操作による「お前どけよ(車線変更しろよ)」という信号を受信した前方車は、ウインカーレバーを操作することなく自動で車線変更させられています。これは、ウインカー操作〜後方確認〜ステアリング操作まで全てコンピュータ制御されているからできることなのです。くどいようですが、Lexus Lane Valetはすでに量産車に搭載されている(される)技術で実現できます。

・車車間通信
 これもすでにトヨタ ITS Connectで実用化されています。現状、車車間通信(&路車間通信)を量産車に搭載しているのは世界でトヨタだけです。クラウン(マイナーチェンジ)導入を皮切りに、新型プリウス、新型プリウスPHV、Lexus RXでオプション設定されています。車車間通信でできることは、「ACC(アダプティブクルーズコントロール/全車追従型クルーズコントロール)の追従性向上」と「緊急車両存在通知」の2つです。
 1つ目のACCの追従性向上は、自車がACC ONかつITS Connect搭載、先行車がITS Connect搭載で、車車間通信が確立している場合のみに作動します。ITS Connectの車車間通信で先行車のアクセル情報やブレーキ情報を受信することでタイムラグの少ないACCを実現し、ドライバーの違和感を低減しています。
 2つ目の緊急車両存在通知は、救急車などから送信される位置情報(+方位?)を車車間通信で受信すると、緊急車両がどの方向にいるかを教えてくれる機能です。救急車のサイレンは聞こえるけど、どの方向にいるのか分からないときがありますよね。これを解消してくれる機能です。
 現時点では車車間通信で大した機能は実現されていません。重要なのは車車間通信では、任意(車メーカ―独自)のメッセージを送信することが出来る、ということです。車車間通信で送受信される信号は、位置、速度、アクセル開度など規定されているものもありますが、一部は任意のデータを定義することもできます。メッセージ内容含め、車車間通信プロトコルは標準化段階なので変わる可能性は有ります。
 Lexus Lane Valetでは、例えば「先行車への車線変更要求」のようなデータが車車間通信でやり取りされていると考えられます。ボタンを押すと、後方車両から「車線変更要求」なるデータが車車間通信で送信され、信号を受信した前方車両は要求にしたがって、前述の自動レーンチェンジ機能で車線変更をします。

所感
 Lexus Lane Valet機能そのものが量産車に搭載されることは社会受容性などを考えると恐らくないでしょう。しかし、緊急車両(救急車やパトカー)と一般車両のように、優先関係が明確な場合だったらどうでしょう?緊急車両が一般車両より優先されることはおそらく世界共通の認識でしょうし、この機能があれば現場への到着時刻の短縮が期待できそうです。救急車ならば急患の生存率にも大きく関わるため、必要な機能のようにも思います。また、将来的には高齢ドライバーが更に増えることを想定し、高速道路逆走対策が真剣に検討されています。同じように、高齢ドライバーが緊急車両に道を譲らなければならない事態に遭遇した時、臨機応変に対応できるでしょうか。自動車線変更とまでいかなくとも、「車を左側に寄せてください」とか分かりやすいメッセージを伝えることが大事だと思います。
posted by コモマン at 21:32| Comment(0) | 自動車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: